コラム

業務の手引き 換装・梱包編

 ここに会社の紹介として新入社員向けのマニュアルを当ブログに掲載する。普段、私たちがどのようにしてどのような業務に取り組んでいるかが赤裸々につづられているように思う。私たちの持つ風俗が多少なりとも伝われば幸いである。

    この文章は業務の手引きと題して、未来クリエイトに新たに来る者の円滑な就労を期待して執筆される。ただし決して正しい業務内容を指示する目的で書かれるわけではなく、日々の業務に当たって君たちが納得のいく判断をするための手助けをするための老婆心からの戒めとされたい。第一章に筆者のある1日の様子を記そう。

目次

Iある一日の様子

IIパソコンのセットアップ

 §1内部クリーニング

 §2換装

  1メモリ

  2ディスク

  3グラフィックカード

  4CPU

 §3 OSのインストール

 §4ソフトウェアのインストール、更新、動作確認

  1仕様の確認

  2 OS update

  3 officeのインストール、GPUドライバのインストール

  4そのほか

III梱包

IVおわりに

Vふろく

 §1用語

Iある一日の様子

 9時57分打刻、後昨日の売り上げ及び梱包物の把握、10時10分作業開始。およそこの十分間でなされたことは一日の計画である。この作業によって私は最低限成すべきことを把握している。

 メルカリの配送における集荷サービスの最終時刻は17時であるから、それまでに売り上げの立ったものは梱包され発送されることが望ましい。未来クリエイトは未だ発展途上であるからして、能う限り時間の余剰を生み出しそれが適切に投資されることが求められている。

 潤沢な時間の余剰なくして自由な発想は得られないと考える筆者にとって速やかに作業が遂行され、余裕を保つことは必要不可欠である。発送される商品数が売り上げの数を下回り、翌日の作業量が前日を上回ることで精神衛生を著しく脅かし、質のよい仕事と発想が妨げられることはいかんとしても避けたいことである。

 14時30分、午前の作業を終了、後休憩。この日はミドルタワーが2台、ノートパソコンが2台、ジャンクが1台の売り上げが立っていたので作業が長引いた。本来であれば規則正しく昼食の時間が取られることが望ましいが、不自然に作業が中断され能率の低下が成果を落とす不安に駆られて作業はこの時間に中断された。

 特にこの日は換装にミスがあり無闇に時間を浪費した。その詳細は多分に反省すべき点を含んでいるので後で述べることにしよう。

 15時10分、午後の作業を開始。いつもならたっぷりと1時間の休憩を取るところであるが、17時までに予定している作業が全て終了しない恐れがあったので昼休みを途中で切り上げることになった。

 ただし諸君にはいつもの私のようにたっぷりと休憩を取ることをおすすめしたい。私は人間の集中力には限界があると考えている一人であるので叶うなら日のあたる場所でゆっくりと仕事を忘れる時間をこの作業の喧騒のさなかあえてとることを強く奨励する。

 それによって煮詰まった午前の頭脳は再び本来の機能を取り戻し、リフレッシュした頭脳は午後も健やかな判断をすることを可能にするだろう。

 16時20分すべての梱包を終了。その後ヤフーオークションの出品準備に入る。当時未来クリエイトは販路拡大を目指して実店舗でいう売り場面積の拡大に着手していた。

 主なマーケットであったメルカリとは顧客やシステムの違いから新たにマーケティングをする必要が生じていた。残る時間はそのための出品に当てられ一日の作業を終了した。

IIパソコンのセットアップ

 パソコンのセットアップには1に内部クリーニング、2に換装、3にOSのインストール、4にソフトウェアのインストール、動作確認、その他確認の順を辿る。順に述べる。

§1内部クリーニング

 内部クリーニングは機械不良の回避、並びに衛生管理のために埃の除去を行うことを指す。ブロワはシステムファンから、電源のファン、CPUファンに至るまで徹底的に当てられ可能な限り埃を飛ばすことを目指す。

 特に入り組んだ電源内とCPUに取り付けられたヒートシンクには埃が溜まりやすいので工夫して埃を飛ばすこと。必要があれば適宜取り外し拭き取ること。またフロントパネルと筐体の間にも埃は溜まるのでこちらも必要に応じて清掃をすること。

§2換装

 換装は注文に応じてパソコンを任意の性能に組み替えることである。主記憶装置、補助記憶装置、およびグラフィックカードの取り付けをはじめとして時にはCPUを取り換えることもある。

 パソコン内はマザーボードの出っ張りや金属製の筐体等とかく尖った部分が多く、手は傷を負うことが多いので安全のために手袋を着用することを強く推奨する。これは後述する梱包の際にもおすすめできることである。

1.メモリ

 主記憶装置、通称メモリーの換装はこの作業の中でも一番の難所であると私は感じている。メモリーはマザーボードごとにサポートしているものが異なり、それらすべての把握は困難であり、換装に30分以上の時間を費やすこともしばしばである。

 メモリの正確な動作のためには無水エタノールによる清掃を要する。これと化学繊維によってメモリの拭き取りを行う。メモリの接触部は繊細であるからして細心の注意が払われねばならない。

 これののちマザーボードに取り付けられたスロットに取り付ける。正確な取り付けの指標となるのはその際の音である。メモリのスロットには両端に二つの爪が取り付けられており、それがメモリを固定する役割を担う。

 その際二つの爪それぞれにメモリが接触する際に立てる音が二つあり、その音が一つに重なることを目指す。音が一つに重なれば、メモリの取り付けに関して君はベストを尽くしたと言えるだろう。

 それでもなお正確な動作が見込めない場合はブラシによるスロットの清掃、メモリ本体の変更、もしくはその両方を検討する必要がある。

 メモリの取り付けにあたってはメモリの正中を対称点とした位置に指を置き、腕を伸ばした状態から体重をかけるようにして力を加えると期待する状態が得られやすいことをここに報告する。

 なおメモリにもCPUに応じたDDR3とDDR4からなる世代が存在するので注意すること。メモリの正確な動作はパソコンの起動、映像の出力、その他予想の及ばない箇所の機能に不可欠であるので特に注意を払うこと。

 メモリの取り付けには十分な経験を要するので、うまくゆかない時はあまり気を立てずに必要があれば休憩しながらゆっくりやるとよい。

2.ディスク

 この項ではディスクと呼ばれる補助記憶装置、具体的にはHDDとSSDの取り付けについて述べる。

 ディスクはOS他、パソコン内のデータが保存される部品で、例えば正しくOSがSSDにインストールされねばパソコンの起動には思わぬ時間を要すことになるのでこれを避けねばならない。

 パソコンの中には通常、HDDを取り付けるための場所が用意されているが、SSDには適当な場所が用意されていないことがしばしばある。その際にはマウンタを用いて適切に取り付けること。

 ディスクにはディスク自体を起動させるための電源とディスクからデータを読み取るためのサタケーブルを取り付ける。この何かの接触に不良があると正しく機能しないのでくれぐれも差し込みを確認すること。

 特にSSDの取り付けにはそれがOSをインストールする部品であるがために、OSインストールが完了してからその間違いに気がつくと思わぬ時間を失うことになるので注意すること。

 ある一日に筆者が犯したミスはこれである。注意されたい。すでに取り付けられたディスクが機能しない場合はサタケーブルに不良がある恐れがあるのでこれを交換すること。

 ディスクの取り付けの際にその取り付けを電源コード等、備えつけの部品が著しく阻害している場合がある。そういう時には一度注意深く筐体を観察し、どこか取り外せる部品がないかを探す。

 そうした場合はフロントのファンが外せることがある。また光学ドライブの取り付けも同じ容量で行う。光学ドライブの場合はフロントのファンではなくフロントパネルである場合が多い。

3.グラフィックカード

 補助電源が必要な場合は適当にコードを差し込むこと。あまりグラフィックカードの箱の解体に時間を取られないこと。

 まれにマザーボードからなら映像が出力されるのに、グラフィックカードからは映像が出力されない場合がある。その場合biosのアップデートやマザーボード本体の交換が必要なことがある。

4.CPU

 CPUの換装はマザーボードの不良を通じて故障を引き起こす原因になる可能性があるために極力控えられたい。交換の際にグリセリンが薄いと感じたら適切な量を塗布すること。

§3OSのインストール

 Boot menu からboot優先順位を変更してbootデバイスからのboot を行う。Biosの開き方については画面になにも表示されていない状態で特定のキーを連打する方法が一般的で、そのキーはdelキーであることが大半である。

 ただしpanasonic 製のノートパソコンに関してはF2、dell  製のものだとF12が該当する。画面のpress … to boot menu の表示に注視されたい。Bootデバイスからbootされるとプロダクトキーの入力が求められる。

 プロダクトキーとは5桁5組からなる英数字であらわされた25字のコードでOSのインストールには欠かせない。まれにプロダクトキーの必要のないデジタルライセンスのものも存在する。

 プロダクトキーを入力すると次にはOSのインストール先を指定する。もしその筐体に搭載されたディスクが中古のものであり、過去のデータが残っていた場合それらのデータは削除される必要がある。

 そうしたデータは通常ディスクの中に作られた部屋の中に格納されているがその部屋を区切る仕切りをパーテーションと呼ぶ。このパーテーションがすべて取り払われた状態でOSはインストールされる必要がある。

 ディスクとしてHDDとSSDの両方が積まれている時にはOSは必ずSSDのほうにインストールされねばならない。技術的な解説は専門の者にゆずるとしてSSDにOSがインストールされたほうがとかくPCの起動が早いようである。

 OSのインストールが完了すると自動的に再起動が行われる。このときにOSのインストールのためにUSBの起動順位を最優先にしていると再びOSのインストール画面に入ってしまうので注意が必要である。

 Bootデバイスを挿入した状態でもOSが起動されればboot の順位が適切であるといえるので作業指示書のチェック項目に〇をつけてよい。まれにbootデバイスを選択して直接bootできる場合もある。

 そのときは内蔵のディスクの優先順位を一番上にしてOSのインストールを開始するとbootデバイスからOSインストールの完了ののち連続してディスクからOSが起動できるので便利である。

§4ソフトウェアのインストール、更新、動作確認

 OSが正常にインストールされればセットアップの山場はほぼ超えたといって過言ではない。OSが起動してからすべきことは仕様の確認、OSアップデート、officeのインストール、GPUのドライバのインストール、動作確認とHDDの初期化である。順に説明しよう。

  1. 仕様の確認

 仕様の確認はタスクマネージャーから行う。そこで作業指示の通りに換装が実行されているかどうかを確かめることができる。

  • OS update

 OSのアップデートはこのソフトウェアのセットアップの工程の中で最も時間を要する項目であるからOSが起動したらすぐにこのOSのアップデートを開始することが効率の向上につながると思う。

 ウィンドウズのマークのボタンをクリックして歯車のアイコンをクリックすると設定が開ける。その中の更新とセキュリティからアップデートはできる。

  • officeのインストール、GPUのドライバのインストール

 複数のインストールウィザードは同時に実行できないので、ひとつずつ実行する必要がある。

  • そのほか

 動作確認はすべてのUSBポートおよび、光学ドライブに対して行う。またHDDの初期化はデバイスマネージャーから新たなボリュームの作成を実行すること。

III梱包

 上のセットアップの工程を終えれば残る作業は梱包である。梱包はすべての同梱物の清掃から開始される。中には製品由来の塗装のムラが汚れに見えることもあるので、ふき取りで落ちない汚れについてはある程度の時間が費やされたところで見限ってよい。

 現在は主にフルセットを販売しているので、通常3pinケーブル、映像出力ケーブル、マウスセット、モニターそして本体が梱包される。新品の物を除いてすべてはアルコールで清掃されねばならない。

 モニターについては化繊を用いると跡を残すことなくクリーニングできる。この次にプチプチを巻き付けるがとくにモニターについては慎重を期して過ぎることはない。月に一件程度モニターが配送中に破損する事例が確認されており遺憾に思う。

 これを防ぐべし。梱包材は底面をちょうど覆う程度に敷き、その上に品物を重ねてゆく。そして品物が動く余地のないように梱包材を充填させる。しかし中には段ボール以上に高いMTがあることがあるので、必要に応じて別の段ボールを上から重ね梱包をするとよい。各位の工夫を期待したい。

 梱包が完了すればアプリから集荷をかけてこの作業を終了する。

IVおわりに

 このマニュアルは新入社員が換装、梱包作業に当たるに際して、その仕事の全体像が俯瞰できるよう簡潔にその内容を示したものである。数日作業を経験してから再び読み返してもらえればまた初めて読んだ時とは異なる学びが得られるだろう。

 執筆当時私は入社して二か月程度の者であったからもしかすると相対的に君が年長になったときこのマニュアルの中に不備を見つけるかもしれない。その時は是非に加筆修正を施してまた来る者たちへ残してもらいたいと思う。

 またそうでなくても未来クリエイトは創業して一年程度の新生児のような会社であるからして未だ経験しない事柄も少なくない。事実マニュアルと呼べるものがこの文書にとどまることが示すとおりに未来クリエイトは新たな知見を欲している。

 私が現在体験しないこと、マニュアルにないことを君は入社して一日で体験するかもしれない。その時はどうか自ら知識を深めて、機会を見つけてはその時に得られた学びも残してもらいたいと願う。

Vふろく

§1用語

3.0 

 USBの形式。穴が青い。早いらしい。

Boot 

 起動すること。ちなみに再起動はreboot。

Bios      

 マザボに入ってるシステム。起動にまつわる設定を変更できる。通常del で起動する。

BTO      

 build to orderの略。いわゆる自作PC。うちではかってにケーシングとよんでいる。

CPU      

 central processing unitの略。パソコンの脳。熱くなるので熱伝導をよくするためにグリセリンをぬってヒートシンクを取り付けている。

DDR3(4)

 メモリの形式。DDR4のほうが新しい。ぎざぎざの位置が違う。よくみて確認しよう。

DP         

 あんまりつかったことないのでよくわからない。

DVI       

 出力形式。ぶつぶつの穴と板みたいな穴から成る。長方形。

GPU      

 graphics processing unitの略、映像の処理を担う。通称グラボ。

HDD      

 hard disk driveの略。LPレコードのように物理的に記憶している。たまにめっちゃうるさいものがある。500GB, 1TB, 2TBが一般的。

HDMI    

 DVIやVGAよりも新しい形式。高さの低い台形をしている。

MT        

 middle tower(ミドルタワー)のイニシャル、デスクトップパソコン一般をさすという理解でよい。

M.2       

 SSDの形式。2280, 2260などなかでも形式がわかれているので使用には注意が必要。500GB, 1TBなど大容量のものがある。スリムやラップトップに使われるのが一般的。

OS         

 operation systemのイニシャル、一般的なものはwindows, mac, linux等。パソコンの国籍のようなもの、文化背景や言語、生活様式に違いを与える。

SSD       

 HDDに対してCDのように電子的な記憶装置。ここにOSをいれると早いらしい。サイズは128GB, 256GBが一般的。

VGA      

 台形の穴。青いことが多い。あまり使わない印象。

インストール   

 コンピュータに新しいことを教えること。

グラボ 

 グラフィックボードの略。

コントロールパネル     

 ソフトウェアのアンインストール、アカウントの設定ができる。

サタ     

 HDDとかSSDにつけるコード全般。電源とデータ輸送の二種類のコードがある。調子悪いときはデータ輸送のコードをとりかえると案外うまくいく。

タスクマネージャー     

 タスクバーを右クリックしてkを押す。スペックやプロセス、通信量が確認できる。Wi-Fiが遅いときなどながめていると気休めになる。

ディスクの管理             

 ここからHDDを使えるようにする。ウィンドウズマークを右クリックしてkを押す。

デスクトップ   

 ノーパソじゃないやつ、スリムなお友達もいる。

デバイスマネージャー 

 パソコンについているDVDドライブやUSBポートといったパソコンについている道具の管理ができる。USBが認識されないときなどポートが認識されているかを確認することは有効である。

ドライバ           

 道具の扱い方。グラボなどを取り付けても使い方を教えてあげないとPCは扱えない。

バイオス           

 biosを参照。

ファン     

 PC用の扇風機。

ヒートシンク   

 ファンと一緒についているギザギザのこと。勢いよくぶつけるとケガすること間違いなし。

ブート 

 bootを参照。

フロントパネル             

 パソコンの正面、お面みたいに外せる。ほこりがよくたまってる。

ラップトップ   

 いわゆるノートパソコン

以上

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